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翻訳後記:群衆/Meet John Doe

  • 執筆者の写真: Naoya Kaneko
    Naoya Kaneko
  • 2017年1月21日
  • 読了時間: 2分

フランク・キャプラの『群衆』。

B級映画が多いパブリックドメインの世界で珍しい大作映画です。

本編はこちら。

しかし上映時間が長い上にセリフもかなり早口で詰め込む詰め込む。しかも意味深いセリフが多いときてかなり苦戦した1本でした。

難しかったところを挙げていけば切がないのですが特に印象に残ってるのは大佐が使う“Heelots"という造語です。

“Heelots"は自分に利が無い限り他人に無関心なのに利があると分かったとたんに近付いてくる人たちを指す「ジョン・ドー」と正反対の言葉です。序盤にある大佐の“Heelots"批判の説教はこの映画のハイライトとも言われています。

Heelots は Lots of Heel =たくさんのワルモノたち のことだそうです。

訳すにあたってのポイントは

・そこらへんんにじゃうじゃいる存在であること

・造語であること

これらを踏まえて今回は「悪衆」と訳しました。

映画の邦題も群衆だしもとの意味からもあまり離れずに訳せたかなとは思いますが実はあまり気に入ってません。響きと字面がとても悪いからです。意味を考えた結果もとの言葉が持つ軽快さを欠いてしまいした。しかしこれ以上の案が出なかったので採用しました。ちなみに参考に観てみたとあるソフト版では「亡者」と訳されていました。

あと野暮かもしれませんがこの場を借りて説明したいのは、最後の方のシーンでアンが言ってた「最初のジョン・ドー」についてです。

「2000年前に同じことをしてその精神が今も行き続けている最初のジョン・ドー」とはキリストのことです。キャプラ監督はジョン・ドー・ブームをキリストの再来風に描いています。少し字幕では分かりにくかったかなと思い、反則ですがここで説明した次第です。

 
 
 

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